閉店セール

地元の老舗のデパートが閉店し、在庫処分セールをしていた。
ものすごい人、人、人・・・・いくら安いとはいえ、ふだんは都会へ買いに言ってるくせにこういう時にだけ殺到し、先を争って買いまくる。

そういう客へ最後の商いとして接する従業員たちはいかなる気持ちだろうか、「ふだん来ないくせにふざけんな!」と思いながら頭を下げ、売り上げは彼らの最後の給料となる保障もなく、おそらく負債の返済にあてられるだろう・・・それでも彼らは一生懸命声を張り上げ客の対応をしていた。

以前、なぜ地元で買わないのか?と公務員の奥さんである友達に聞いたことがある。
彼女はこう言った。

「何を買ったか噂になるような気がして恥ずかしい」
「給料日とかボーナスの後だと店員が寄ってきてウザイ」
「知り合いに出会う可能性が高く、買い物がしにくい、挨拶もメンドウ」

小さな町だけに、なるほどなぁと思う。
田舎町の商店が閉店に追いやられる原因はこのへんにあるのかもしれない、いつまでも都会の~や郊外型~のせいにしていては始まらない、もっと知恵を出し合わなければならない。

生きたい人もいれば死にたい奴もいる

当店のお客様で80歳を過ぎたお年寄りがいる。
癌を宣告され、医者に放射線治療を推奨されたが断ったと言い、家の内外を掃除し、身の回りを整理して入院した。
おそらく死を覚悟してもう帰ってくることはないだろうと本人は思ったのだろうし、申し訳ないが俺もそう思っていた。

しかしその老人は帰ってきた。
病院へ通いながら放射線治療を受けることにしたらしい。
彼の顔を見ると何かふっきれたようで晴々とし、小奇麗な顔をしていて、これから迫り来るであろう「死」に向かい合い、今できる事を精一杯やろうとしている姿勢が見えた。

それに比べて簡単に命を捨ててしまう人たち。
「死にたい」と思うからには相当な悩みがあるのだろうが、病気により日々ものすごいスピードで寿命が縮まっていく人達もいるのだ、明日の命も知れないくらいに。

生きていると辛い時期もあるだろうが、永い人生のうちの一時だろ。
(そう考えられないから死ぬのだろうけど・・・)